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『本日は晴天なり』(ほんじつはせいてんなり)は、2010年4月21日に発売されたサニーデイ・サービス通算8作目のスタジオ・アルバム。 == 解説 == バンドが解体する様を映し出した前作『LOVE ALBUM』〔『LOVE ALBUM』 2000年9月20日発売 Q&A COMMUNICATIONS ⁄ MIDI CD:MDCL-1393〕から10年を経ての新作。 まず、2000年の解散について曽我部恵一は潮時だったとし、「始めた時から、バンドっていうのは青春のように終わりがあると思っていたし。最後の『LOVE ALBUM』〔っていうのは無理に作ったから、理に適った流れで終わったんだと思っているけど」〔『ミュージック・マガジン』2010 5月号(ミュージック・マガジン)pp.64-67、2010年5月1日発行〕という。 その後、曽我部はソロ活動を開始するが、しばらくは敢えてサニーデイの楽曲を歌うことがなかった。しかし、ある時期を境に徐々に取り上げられるようになった。その理由について「ある時点で“自分の曲だからいいじゃん”って思ったんだよね。好きな曲だったら歌うし、気に入らないなら歌わない。よく、ソロになると昔のバンドの曲を歌わない人っているじゃないですか。自分はそうじゃなくていいんじゃないかなって」〔という。そのひとつの大きな節目が、アルバム『東京』〔『東京』 1996年2月21日発売 RHYME ⁄ MIDI CD:MDCL-1303〕収録曲すべてを曲順どおりにアコーステック・ギターの弾き語りで演奏した、2006年7月16日下高井戸シネマでのソロライブだったが、その意図は「わりとマーケティング的な意図もあったんですよ。アルバム『LOVE CITY』〔曽我部恵一『LOVE CITY』2006年12月22日発売 ROSE RECORDS CD:ROSE-45〕の直前で、ソロで自信がついてきたこともあって、自分がソロとして飛躍するためには、離れていったサニーデイのときのコアなファンを戻したいっていうのがちょっとあったんです」「成功だったかは置いといて、予想以上にサニーデイは大きい存在だと感じましたね。限定ライブ盤(『東京コンサート』〔曽我部恵一『東京コンサート』 2006年10月6日発売 ROSE RECORDS CD:ROSE-42〕)はあっという間に売り切れて、何を求められてるかがよくわかった。それと、サニーデイを安易に商売道具にしちゃいけないなあとも。あまり売れなかったら負担じゃないんだろうけど」「特に『東京』〔というアルバムは、ファンにとって大きいものだということはひしひしと伝わった。僕の中では他のアルバムとそんなに変わりないんですよ。だから代表作が『東京』〔だって言われるのに少し抵抗があったんだけど、この時それもいいやと思った。そう言われるのもありがたいことだなって」〔とし、それが再結成への伏線としてあったというが、その時点では再結成は考えもしなかったという。 そして、再結成に至った経緯については「2008年にライジング・サン・ロックフェスティバルのプロデューサーから“もう一度サニーデイで出てもらえないか”と言われるまで、思ったこともなかった。だから結構革命的なことでしたよ。そのとき、やったらダメな理由を考えたんですけど、たいしてないんですよね。やってみてバッシングされようが、何もなく過ごしていくよりも面白いことなんじゃないかなと。ほんとそれだけですよね」「ちゃんと演奏できるのかっていうのもそうだけど、何よりお客さんの反応が不安でしたね。でもそこはあんまり考えないように臨みました。だって自分がお客さんの立場なら再結成なんてナシですから」「たいてい、再結成モノってよくないから。なるほどと思うのはあるけど」「マイナスになるかプラスになるか。でもゼロよりはいいってだけなんですよ」〔という。 ライジング・サンへの出演と同時に発表された再結成について様々なところからライブやリリースのオファーがあったというが、「でも“まだ全くの白紙です”というところで対応したし、実際“一回やってみよう”というだけで、アルバムなんて何も考えていなかった。でも“さすがにリリースはないよね”って話だったのが、“なんか一曲くらいやってもいいんじゃないの”に変わっていって。最初、僕の中での再結成は、音楽活動を充実させる一個のコマのようなつもりだったんですよ。最新ベスト盤やリマスター再発程度の、もう一度サニーデイの曲をプレゼンし直すみたいな。でもサニーデイで曲を作りたいなっていうのが芽生え始めて、そこから徐々に変わっていったんですよね。もう一度サニーデイという可能性を、自分の中に取り込めたという感覚かな」〔という。 本作は曽我部自身のレーベル“ローズ・レコード”からのリリースだがそれについては「最初はメジャーから“これぞサニーデイ・サウンド!”という新曲を作って、しっかりプロモーションもやって、もう一度サニーデイを流布しようという魂胆もあったんですよ。でも、3人でバンドを再開したら、全然そういう風にはいかなかった。もう一回バンドをやるということは、その当時のヘタな自分たちに戻るってことで、ひいては、聴く人にとってサニーデイはどういうバンドだったのかっていう意識を持つようになっていって、そこから新しく作っていく体制にどんどん変わっていった。再結成ってある種“祭り”だと思うんだけど、そうはならなくて。思い描いていた“お金かけて大々的に”というところとは、まったく真逆の方向に行ったんです」「それは自分たちがどういう存在か思い知らされたというか。そもそも、サニーデイは大々的に売れるバンドではなかったんですよ。ミディという小さなレコード会社の所属だったからではなく、等身大だったから売れなかったんです。このアルバムを作る作業で、それがよくわかった。拙い3人のそれ以上でも以下でもない存在だってことに気づいて、初めてサニーデイとして落ち着いて無理せず作れたアルバムなんですよ」〔とし、最初はプロトゥールスに全部入れてエディットしてわりとかっちりしたものにしようとしたがうまくいかず、ほとんど一発録りで以前にはあった一部を直したり編集したりといった作業は一切行われていないという。 アレンジについては「昔はもうちょっと“こういう風に弾いて”とかちょっとしたディレクションもしたんですけど、一回テクニックの部分ではあきらめているから、今回はそれもなく。その人が出す音でいいだろうって。だからバンドの呼吸や息遣いだけで演奏できたかなあと思う」〔という。 曲順構成については「結構最後までいろいろ考えましたね。<恋人たち>の華々しい出発の風景から始まって、最後は女の子のある日の朝で終わるっていう。自分が生きている今につながればいいなあと。それがノスタルジーを満足させつつ、バンドの現在進行形を聴かせられることかなって。今回は新規のリスナーのことはまったく考えてないんですよ。当時熱心にサニーデイを愛してた人たちのために今、何を聴かせられるかということだけを誠実に考えて作ったから。突然の解散を苦々しく思っているファンに対して、どういう手紙が書けるかと」とし、「だから、これはあくまでもサニーデイにとっての8枚目のアルバムなんですよ。10年という時間がないと出来なかっただけで。サニーデイは急に終わったから、どこかちゃんとした最後のものを作りたいという気持ちも、最初はあったんです。でも作っているうちに、終わらせる必要もないなあって。<Dead Flowers>で描いた花が枯れていくときの美しさのように、自分たちもそうあるべきだなあと。何も終わらず、サニーデイはこのまま枯れて朽ち果てるまで続いていくんだと思います」〔とも答えている。 プラケース仕様、初回盤は紙スリーブケース付き。アルバムには歌詞カードのほか、“サニーデイ・サービス TOUR 2010”の告知カードが添付されていた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「本日は晴天なり (サニーデイ・サービスのアルバム)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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